生と死、そして絶望

物語の概要について

ではここからは奏光のストレインについて話をしていこう。遥か遠い未来の時代、人類は宇宙進出を果たしてさらなる発展を遂げることに成功した。しかし人は争うもの、その歴然たる戦闘はユニオン(連合)とディーグ(帝国)という2つに分かれて壮絶な戦闘が繰り広げられていました。そんな中で、戦争が続く時代において一組の兄妹が描かれます。兄はその優秀な成績を買われて最前線へと赴くこととなり、幼い妹は1人故郷で兄の帰りをいつか来ると信じて待つことになりました。しかし兄が向かう先は亜光速の先、時間軸でいうところの何百年先の未来へと向かうため、実質一生の別れとなってしまうのです。

妹はそんな兄、ラルフ・ウィーレックとの再会を果たすために名家としての誇りを胸にユニオンの訓練候補生としての道を歩むこととなる。その妹こそ、今作奏光のストレインにて主人公兼ヒロインとして登場する『セーラ・ウィーレック』の物語が始まります。

物語序盤はセーラが候補生としてリーズナー、いわゆる最新鋭機のロボットパイロットとして訓練を積む毎日が描かれています。そうした日々の中で自分と同じように正規軍人を目指すメアリー・コリン・セディの3人と普通の学生と変わらない青春を過ごしていました。ここまでの流れは全くといっていいほど戦いとは縁遠い、日常パートが描かれています。しかしそうした安穏とした日々は脆く崩れ去り、またセーラとしてもその日を境に全てを失うことになります。

お気に入りの作品

兄との再開、全てを喪失

とある夜の日、事が起きた。セーラの故郷でもある惑星グラベラに敵であるディーグの戦艦が襲来してきたのです。すぐさま訓練生たちは戦闘準備として戦場へ駆り出されることとなりますが、ユニオンとディーグの戦力差は歴然としていました。両軍とも有人機動兵器となるストレインを使用するが、技術的なものではユニオンがディーグを圧倒していた。通常のストレインでも機動力では十分通用するため、訓練生を始め演習場にいた誰もが勝利を疑わなかった。しかしそうした中で1つの切っ先が全ての戦況をひっくり返してしまうのです。

敵艦から現れたストレイン、その中でも上位機体として『グロワール』の登場によって、戦闘経験の未熟な訓練生たちは蹂躙されていく。セーラの友人たちであるメアリーたちも例外ではなく、グロワールの前に抵抗するまもなく壮絶な戦死を遂げてしまう。その中で唯一、セーラはセディによる決死のかばいにより何とか生き残るも、グラベラの研究所へと侵入した敵兵を追って銃口を向ける。

敵将校と思われる男性は、セーラも知らない秘密裏の研究所から一人の少女を奪取して戦場から離れようとする。その時セーラ、彼女が見たのは敵将校として現れたのはまごうことなき唯一の肉親である兄、ラルフの変わり果てた姿だったのです。目的を果たしたラルフを追ってストレインを操縦するセーラだったが、ラルフによる反撃によってストレインが大破、撃墜されてしまうのだった。無残にも敗北したグラベラの湖のほとり、そこに奇跡的な生還を果たしたセーラだったが、友人・ストレインを操縦するために必要なミミック・家名・そして兄という何もかもを失ってしまう。

何が起きたのかも分からないまま全てを失い、戦意喪失してしまうセーラは1人嘆くことしか出来なかった。この瞬間彼女の運命は流転する、真実を手に入れるためにセーラは歩き出す。

1話目から壮絶な展開

簡単に冒頭部分の説明をしましたが、ここまでの話は何と1話で語られています。平和な日常を破り、親友を、パイロットしての誇り、そして信じていた兄がユニオンを裏切ってディーグへと寝返った事実という、主人公であるセーラの何もかもがここですべてを失ってしまうのです。敵へと寝返ったこと、それが身内ともなればセーラ本人も糾弾の矛先が向けられてしまいます。ウィーレック家の令嬢としての立場も失い、10から0へと転落する少女がそこに描かれている。

初めて見た時、ここまでやるかと思ったのが当時の感想でもあり、今もそれは変わらない。一見すると順風満帆な日常が繰り広げられて、それから数話した後に劇的な展開が待っているのだろうと予想していたが、最初からアクセル全開だった。そのため一気に内容に引き込まれ、次が見たいと思うようになるまで時間はかからなかった。1話目から主要なのかと思われた登場人物たちの死だが、それはこの後の話でも物語で次々戦死していく事になる。こうした表現が出来たのも当時がそこまで表現の自由というものについて批判される状況ではなかったからだと推測できる。

今、あの作品が熱い!

小公女が題材

余談となりますが、奏光のストレインに登場する人物の名称はかの有名な小説作品でもある『小公女』から取られています。作品を初めて視聴した時、聞いたことがあるなぁと思いながら思い出そうとすると頭によぎったのが、日本でも映像化されている『小公女セーラ』を連想した。間違ってはいないですが、この作品でも主人公であるセーラが裕福な家庭に生まれながら、父親の死亡により状況が一変してしまいます。その後は健気に蔑まれながらも生きていく姿が描かれている。奏光のストレインでも、セーラがこの後に経験する境遇は壮絶なものとなっている。

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